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統合欧州の危うい「いま」

「中央」が失われた経済と右傾化する政治

浜 矩子(著)

新書判/216ページ
2020年11月25日 発売/ISBN978-4-908170-30-0
発行・発売:詩想社
定価:本体1000円+税

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内容紹介

コロナウイルスの猛威にさらされる中で、いま、着実に「欧州の危機」が迫っている。
マクロン仏大統領が訴えるとおり、「真実の瞬間」を、欧州は迎えている。

英国の離脱が決まり、その結束に綻びがみられるEU。
コロナ禍によって、欧州各国の分断はさらに深化している。
なぜいま、欧州各国では、中流層と中道政治が変質、消失し、
ポピュリスト、ナショナリストが台頭するに至っているのか。
各国の政治経済の危機的状況を読み解き
統合から分断へと向かい出した潮流を解説。
そこに、政治的プロジェクトから経済的プロジェクトへと変質しつつある
欧州統合の矛盾をあぶり出し、今後の統合の行方、欧州政治の危うい未来を読み解く。

目次

第1章 ポピュリズムとナショナリズムが塗り変えたEUの政治経済風景
・ポピュリズムとナショナリズムが出会う時
・崩れ行く中道主導の黄金律
・・・など

第2章 独仏枢軸の中道政治は持ちこたえられるか
・台頭してきた「自我だけ政治」とは何か
・いまだ誰もわからないマクロンという政治家の正体
・旧東独地域で勢力を伸ばすポピュリズム型ナショナリズムの手口
・・・など

第3章 健全経済の北欧に広がる中道政治の極右化
・「中央」無き経済が政治の両極を台頭させる
・極右側にシフトすることで政権を確保したオランダの「中道」右派
・極右排外主義政党と政権を組んだオーストリア国民党
・・・など

第4章 南欧・東欧、イギリスが抱える中間層の変質と政治の危機
・イタリアで中道が中央から消えた時
・東に向かってダークさを増す統合欧州の「荒絹のとばり」
・ブレクジットはなぜ円満離婚にならなかったのか
・・・など

第5章 パンデミックで明らかになったEUの未来
・財政統合という名の終わらない宿題
・制度的統合の深化が魂の統合を破壊する
・東欧の国粋国家の封じ込めに苦渋する「次世代のEU」
・・・など

著者紹介

浜 矩子(はま のりこ)

1952年生まれ。一橋大学経済学部卒業。75年、三菱総合研究所入社。ロンドン駐在員事務所長兼駐在エコノミスト、経済調査部長などを経て、2002年より同志社大学大学院ビジネス研究科教授。専攻はマクロ経済分析、国際経済。主な著書に、『人はなぜ税を払うのか』(東洋経済新報社)、『「共に生きる」ための経済学』(平凡社)、『「通貨」の正体』(集英社)などがある。

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